セラピーを受けたらまた号泣/摂食障害克服に向けて

過食嘔吐の頻度が増加していく中で、漠然とした将来への不安が膨れていく一方。
どうにかしなければと思い、ようやく重い腰を上げて受診を決意。

先生から次回はセラピー(カウンセリング)を受けてみましょう、とお話があったので受診から1週間後に予約をしました。
今回は、セラピーを受けてみた感想を赤裸々に語りたいと思います。

受診からセラピーまでの1週間

受診を受ける前までは、ほぼ毎日過食嘔吐を繰り返すほど頻度が増加していたのですが、受診からの1週間は過食嘔吐がありませんでした。
ただ、過食したいと思う気持ちは変わらずあって、過食してしまうこともあったのですが、今までとの違いは「吐いてまで食べたい」と思わなくなったこと。
なんだか寂しい、手持ち無沙汰な気持ちになって過食したい欲は沸々と湧いてくるのですが、コンビニやスーパーに寄って大量になにかを買い占めることはなく、家にあるナッツやバナナ、野菜や魚など、食べる内容が変わりました。
過食自体はありましたが、新しく何かを買って食べるとか、胃がはち切れそうになるまで食べたい、という気持ちにはならなかったのです。
吐くこと自体が気持ち悪いとさえ思うようになりました。
おそらくこれが普通の感情なのだと思うのですが、今までは吐くことが当たり前で、生活の一部にさえなっていました。

どうしてこうなったのか、はっきりと理由はわからないのですが、やっぱり受診で号泣してすっきりしたこと、いただいた考え方のアドバイスを意識するようになったことが大きいと思います。
「過食を悪者にしない」、「過食しちゃだめと思わない」、「自分のことを好きになる」ことを意識することで、食べ物のことを考える時間が少なくなったように感じます。
今までは頭の中が常に食べ物で支配されているような感覚で、午前中までは「今日こそは過食しないぞ」と思っていても午後になると「今日はあそこのコンビニに寄るか」と考えてしまっている。
そんな毎日が当たり前になっていましたが、この1週間は「お腹がすいているか」というお腹の声を聞くようになったような気がします。
仕事が終わって帰宅した後にお腹がすいていれば食べればいいし、すいていなければ食べなくてもいい。
そんな当たり前のことが考えられるようになりました。
今まではお腹がすいていても「食べちゃいけない」と自分を抑え込もうとしていて、より過食が誘発されていたのだと気づきました。

こんなにも早く変化があると思わなかったので、すでに受診して良かったと心から思います。

再診

1週間後の再診+セラピーの日。
まずは先生の診察からです。
この1週間はどうだったか尋ねられて、過食嘔吐がなかったことをお伝えすると「いいですね~」と。
前回の診察のときに「過食以外の活動として、犬が好きなら癒される犬の動画とかを見るのもいいですよ」とお話があったので、「犬の動画見ましたか?」と尋ねられたのですが、正直に「…見てません」とお答えしました…。笑
前回は「犬好きですか?」と尋ねられたので「好きです」とお答えしたのですが、実際のところ、そこまで犬に思い入れはないのです…。
特に飼っていたわけでもないし、飼いたいほど好きでもないけれど、嫌いでもない。
先生も笑いながら、「別に見なくてもいいです。笑」と仰っていて、なんだか和やかな雰囲気に。笑
言うこと聞かない患者ですみません。笑

今回、先生からは、「無条件で自分を好きになる練習」として「些細なことでも自分を褒めてあげること」というアドバイスをいただきました。
「たとえば歯を磨いただけでもいいんです。よくやった!えらい!」
「とにかく当たり前だと思っていることでも褒めてあげてください」
なんだかこの言葉だけでも涙が溢れそうでした。
もう先週から涙腺崩壊してます。笑
やっぱり自分を褒めて、認めてあげる姿勢がまだ足りないのだと感じるので、1日1回は必ず自分を褒めてあげようと思います。

今回はセラピーがメインになるようなので、診察は5分くらいで終了。
診察代は1360円。
お高い。←
まあしょうがないです。
ありがたいお言葉をもらえたし、実際過食嘔吐の頻度は減っているし、必要な出費だと言い聞かせます。

別室でセラピーを受ける

先生の診察が終わったら、別室のセラピールームへ移動して担当の先生とご対面。
簡単にご挨拶をして問診シートへ記入します。
先生の診察のときと同じく、いつ頃からどういう症状があるか、家族構成や仕事のことなど、自己紹介的要素を含むシートでした。
記入を終えたら、さっそくセラピーの先生とお話が始まります。

過食嘔吐について、発症はいつ頃なのか、原因、どういう経過を追ってきたかなどを聞かれるため、事細かに話していきます。
最初の過食嘔吐については正直あまり覚えていないのですが、おそらく高校生のとき。
中学では運動部に入っていたから体型維持できていましたが、高校では文化部に入って運動量は減ったのに、食べる量が減らなかったので体重が増加傾向にありました。
そこから細い人への憧れが強くなって、体重に固執するようになったように思います。
高校の人間関係もあまりいいものではなくて、今も連絡をとっている人は1人も居ません。
さらに追い打ちをかけるように大学受験のストレスが加わって、高校3年生くらいのときに過食嘔吐が始まったように記憶しています。
たしかその頃テレビで過食嘔吐の人の特集みたいなものがあって、「こうすればなかったことにできるんだ」と思ってしまったことも引き金になったような気がします。
元々食べるのは好きだったし、食べている時間は何も考えず「無」になれる。
いつの間にかそんな不要とも思える時間が不可欠になってしまっていて、ストレスを感じたら食べて吐くことから、大きなストレスがなくても食べて吐くことへ習慣化してしまいつつあったのです。
食べること以外で自分を癒すことができなくなっていました。

そんな話をしている中で、「今までこのことについてお話できる人はいましたか?」と問われたとき、「いません」「実家に居た頃、母にバレたことがあります」「なんでせっかく作ったごはんを吐いちゃうの?と言われました」と話した時、自然と涙が溢れ出ました。
誰にも相談できなかったこと、母を傷つけてしまったこと、それと同時に「母にも否定された」という思いから自分も傷ついたことが蘇って、どうにも止めることができませんでした。

ここから、私の涙腺は崩壊しっぱなしです。
一部、嗚咽するくらい泣きました。笑
こんなに泣いたのは久しぶりだし、ましてや人前でこんなに泣いたことはない…。
それだけ思いが溜まっていたのかもしれません。

こんな感じでセラピーの先生との対話が進んでいくのですが、①過食嘔吐が誘発されている原因となってきたこと、②理想の生活について、の2つに分けけて記録しようと思います。

①過食嘔吐が誘発されている原因となってきたこと

受験、学生時代や職場での人間関係、仕事内容、家族との関係、嫌だった記憶、自分の性格などなど思い出されるものすべてを話しました。
ストレスを受けて過食嘔吐が誘発されていることに関しては自覚があったし、ストレス発散の手段を見つける必要があることもわかっていました。
ただ、自分の性格が自分を追いつめて、ストレスを与え続けていることに関しては、新しい発見だったように思います。
私は幼いころからわりとなんでも器用にこなすタイプだったのもあって、特に中学生に入ってからは「なんでもできる人」として褒められることが多くありました。
「勉強もできて、運動もできて、絵も描けて、ピアノも弾けて。できないことないじゃん!」なんて声をかけてくれる人がたくさんいました。
母親同士の交流でもそういう話になるみたいで、母親から「あなたのこと褒めてたよ」なんて聞くこともあって、そのときは母親が誇らしげな顔をしているように見えて、喜んでいるように見えて…。
自分が褒められてうれしい反面、「なんでも上位に居なきゃいけない」「なんでも器用にできないといけない」「母親が喜んでくれるから」「私が娘で恥ずかしくないように」というプレッシャーを無意識のうちに感じてしまっていたみたいです。
そういう自分が形作られていく中で高校生に入り、運動部をやめて体重が増えてきたのもあって、自分が運動できない部類に属しているという劣等感を抱くようになりました。
実際に私を中学生のときみたいに褒めてくれる人は居なくなってしまったし、「なんでもできる自分」から「未完成な自分」へと転落していくことが許せなくなったんだと思います。
そんな自分は誰も認めてくれない、と思っていたのだと思います。
どんどん自分が嫌いになって、自分よりできる人を見つけてしまうと嫉妬してしまったり、なんで自分はできないのか責め続けてしまう。
自分で自分を痛めつけて、外部から加わるストレスも相まって、過食嘔吐が発症したのだと先生とお話していく中で理解しました。
元々完璧主義だという自覚はあったのですが、こういう思考から自信のなさにつながっているんだな、ということは新たな気づきでしたね。

②理想の生活について

先生の受診のときもそうでしたが、過食に代わるストレス発散の手段を見つけられるといいね、というお話になりました。
今まで好きでやっていたこと、楽しかったこと、やってみたいこと、理想の生活について一緒に考えてくださいました。
先生は、「早寝早起きしてみること」、「料理が好きなら調味料からこだわって作ってみるのはいいんじゃない?」なんてアドバイスをしてくれるのですが、残念ながら全部実行済みでした。笑

2人してどうしたものかと頭を抱えて悩みましたよね。笑

ただ、理想の食事内容に関して質問されたときに新たな発見がありました。
私が返答した理想の3食は「朝ごはんは甘酒とか温かい飲み物で済ます」「昼はスープジャー」「夜は食べない」ことでした。
口に出したときに、自分が理想としていたことなのに「え、少なすぎじゃない?」って思いました。
そんなことにも気づかなかったのです。
今まではこれが理想の食事だと思って、これができないときは「なんで食べちゃったんだ」と自分を責めていました。
正常な食欲や食事内容でさえ、否定してしまっていたことに気づかされました。
3食しっかり食べても、食事内容が問題なければ太ることはないのに、「食べること」自体が悪だと決めつけていました。
そう思っているつもりはなかったけれど、今回先生に話すことで無茶なことをしようとしていたことが理解できたのです。

診察との違い

診察は、先生が思考の特徴について説明してくださるので、基本的には先生がお話します。
セラピーは、私が先生の問いに答えながら私の話を深堀りしていく作業なので、基本的には私が話します。
先生か私、どちらが主体になるかが大きな違いだと感じました。

正直、セラピーの先生から真新しいアドバイスがあったわけではありません。
自分なりにいろいろ試していたし、ストレスのはけ口を他に見つけなきゃいけないこともわかっていたし。
ただ、「話を聞いてくれる」ことがこんなにも重要なことだとは思いませんでした

今まで、私は悩み事を誰かに相談することはほぼありませんでした。
相手の相談に乗ることは好きだし、どちらかというと会話も聞き手に回ることがほとんど。
自分が相談するとなると、相手の時間を潰してしまうとか、負の感情を与えてしまうとか、自分のことを知られるような気がして恥ずかしいとか、そんなことばかりを考えて、いくら嫌なことがあっても、悩みがあっても、家族にさえ口に出すことはありませんでした。
それが自分には合っていると思っていたし、相談すること自体がストレスになるとさえ思っていました。
ただ、実際は違ったのです。
今回セラピーを受けてみて、自分の中だけで解決していたことを口に出すことで新たな気付きもあったし、自分の経験や思考について整理できました。
話していくことで感情が溢れて涙は止まらなくなったことも初めての体験。
こんなに自分をさらけ出しても、引かずに話を聞いてくれる人が居るだけで、こんなにも救われた気持ちになるのかと思いました。
「こんな自分も認めてもらえるんだ」「このままでもいいんだ」という安心
本当の自分は、こういう時間を求めていたのかもしれません。
もうだめだと弱音を吐いたり、泣きついたり、助けを求めたり。
そういうことがしたかったのに、「完璧」であることを求めすぎて、「自分はそういうことをしちゃいけない」と勝手に思い込んで、押さえつけていたみたいです。

セラピーが開始するとき、だいたい1時間くらいになると事前に説明があったのですが、結果としては2時間みっちりお話しました。
正直1時間30分を超えてきたところから疲れてきて、先生の問いも聞き逃して、心ここにあらずな時間が増えていました。笑
今考えると、2時間も自分が主体になって話をすることなんてなかったと思います。
いつも話を振ったり、悩みを聞いたりする立場。
相槌を打っていることがほとんどで、自分が話す時間なんてありませんでした。
話したいなんて思っていなかったけれど、心の奥底では誰かに聞いてほしいと望んでいたのかもしれません。
自分ってこんなに話せるんだ、ということも新たな発見でしたね。笑

セラピーが終わってお支払い。
初回料金で今回は2200円でしたが、次回からは11000円になるんだとか。
お高い。(2回目)
この値段だと次回行くかどうかはちょっと考えものですね…。
しばらくは経過を見て、今後も通うかどうかは決めたいと思います。

診察とセラピーを受けてみて

結果として、勇気をもって診察とセラピーを受けてみて、心の底から良かったと思えます。
診察を受けてからもうすぐ1ヵ月が経過しますが、一度も嘔吐せずに過ごせています
過食は時々あるのですが、今までみたいにコンビニへ行って無心でかごの中に食べ物を放り込むことはなくなって、家にあるもので作って食べるようになりました。
野菜を焼いたり、スープを作ったり、お菓子やパンを作ったり。
それくらいなら食べてもいいじゃん!普通の食欲じゃん!って自分を許せるようになりました。

最近体重計に乗るのもやめたので、実際体重がどう変化しているかはわかりません。
ただ、もう体重なんてどうでもいいのです。
食べすぎた翌日は増えていることが当たり前だし、生理前とかストレスが多かった日に食べたくなるのも当たり前。
じゃあ、過食は悪じゃないじゃんって思えるようになりました。
体重に縛られすぎていた日々から解放された気がします。

摂食障害で悩んでいる人は多くいるけれど、実際に病院に行く人は少ないそう。
私もつい最近まではそのうちの1人でしたが、勇気を出して一歩を踏み出してみて、本当に良かったと思います。
これで過食嘔吐とはおさらばだ!とは思っていません。
いつまた過食後に吐きたい気持ちに襲われるかはわかりません。
けれど、自分を認めてあげる一歩を踏み出せたことは大きな一歩です。

特に「相談することが苦手」「誰にも話せていない」人は、受診してみることをおすすめします。
「話したくない」「話すことが苦手」「相談することがストレス」と感じてしまう気持ちもすごくわかります。
けれど動き出さないと何も変わらないことも事実です。
身近に相談できる人が居ればその人に、身近な人にも相談したくないのであれば専門家に聞いてもらう。
やっぱり人は人と相互に繋がっていると思えることが大切なんだと思います。
こんな私でも良い変化を感じられているので、皆さんもきっと何かいい方向へ舵をきれるはず。

まだまだ私も克服の道の途中。
自分の良い変化に目を向けて、自分で自分を褒めて、認めてあげましょう。
私の一歩が、皆さんの一歩を踏み出す勇気につながっていけば嬉しいです🌷

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